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日本の伝統行事 秋祭り
プロジェクトタイプ
ポートレート
日付
2023/10/4
場所
兵庫県
夏休みも終わりに近づいた8月27日の夕方、我が家に村の役員さんが来られました。
お話は、今年の秋祭りの太鼓の乗り子をしてもらえないかという依頼でした。
本来であれば小学6年生の男児に決まっていた乗り子も、少子化で男の子だけでは足りなくなり女の子も乗り子となるようになっていました。
しかし、我が家はまだ5年生です。
6年生が3人しかいないのは知っていました。5年生には女の子2人と男の子が1人います。
で、その男の子がやりたくない。と断られたということで女の子2人、誕生日の順番に・・ということで家に回ってきたということでした。
娘も嫌がりましたが、我が家はその太鼓の出る秋祭りを執り行う神主の家です。
父が宮司で、私も一緒に奉職しています。
有無を言わさずお話を受け、なだめすかして9月の初めからの毎日の練習に通わせました。
そして、ようやく前向きに練習にもいくようになり今週末に秋祭りを控えた昨日。
練習の迎えに行ったときに乗り子同士の親の中で太鼓の巡行に親もついてくるべきだと言われました。親が無理なら代わりのだれか・・と。
祭りの日は忙しくて無理だと断ると・・。
・・・子どもに何かあった時、どうされるのですか・・・
何のための太鼓巡行なのか
何のための祭りなのか
わたしは落胆しました。
若い世代の親には秋祭りの意味が全く理解されていないと思いました。
秋祭りの2日間、神主がどれほど忙しいのか全く知られていないのです。
おそらく、太鼓は子供会のイベントのようなことと思われているのでしょう。
秋祭りでは、宵宮の日の朝、川で禊を済ませた乗り子と屋台周旋人や青年団を本殿で2日間の巡行が無事に行われ、見守っていただけますよう大神様にご報告します。
そして本宮の日は、神事が行われ神様に地域で日々守っていただいていることを感謝し、天皇陛下の御代がこの先も続きますようにということを祈ります。
神事が終わると太鼓が宮入りし境内を練りまわります。
そして神相撲である子供相撲が行われます。
これも神様に捧げる行事です。
そのあと、お祭りで神様からの恵みをいただくための賑わい行事の餅まきや福引が行われます。
正直、神事が行われていることを知る人は、ごくわずかです。
ですから、コロナ禍の中で賑わい行事のなかった年は祭りがないとよく言われました。
それでも毎年神事は欠かさず執り行ってきました。
秋祭りは一度の『秋の大祭』とされ、神社では最も大きなお祭りになります。
賑わい行事だけでなく、神事としてのお祭りの意義をみなさんに知ってほしいと思います。
11月になれば『新嘗祭』が行われますが、賑わい行事のないお祭りですので閑散とした中で執り行います。
太鼓の巡行はもちろん、福引や餅まきにはたくさんの人が来られます。
しかし、その太鼓や、福引、餅まきは、ただのイベントではなく、神様もパワーをいただくためのもの、それを分かっていただきたいのです。
お店や屋台が出るのがお祭りではない。
それはイベントというのです。
今の子どもたちに、どうか、その意義が伝わりますように・・・

