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『海の翼~エルトゥールル号の奇蹟~』

  • 執筆者の写真: 司書になりたい
    司書になりたい
  • 2023年10月11日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年11月7日




#トルコと日本

#友好

#エルトゥールル号

#イランイラク戦争

#恩返し


近年、よく日本とトルコの友好の話題がニュースでも取り上げられますが、これは明治の初めに岩倉具視の西欧使節団がパリに行ったことが始まったのです。

その時にギリシャ、エジプト、トルコと訪れた時から交流が始まっていました。


その後、トルコからの親善使節団がエルトゥールル号で日本を訪れた帰り、明治23年に今の和歌山県沖で沈没しました。

当時の日本ではトルコの言葉を分かる人も少なかったでしょう。

それでも、紀伊半島の人々は嵐の海の中で必死に船員を助け、甲斐甲斐しく手当てし自分たちの少ない食料の中からその人たちの食事の世話をしました。

その甲斐あって数か月後に再びトルコへ帰れるようになったのです。

そして、その時に治療費などは一切請求しなかったのです。

このエルトゥールル号のことは、日本ではそう話題にならなかったようです。

助けた側の日本人は、伝えていくことはしなかったのでしょう。

それも日本人特有の謙虚な一面ですが、助けてもらったトルコでは代々受け継がれてゆく話となったのです。


それから約100年後、イランイラク戦争の続く中でフセイン大統領が48時間以後、イラン領空の航空機を無差別に攻撃すると宣告します。

イランにいた人々はそれぞれの国の飛行機で帰国する手続きに追われます。

そんな中、日本は救援機が飛ばないと知らされた多くの日本人・・・。

途方に暮れる中、トルコからの救援機がギリギリのところで間に合いすべての日本人が救助されました。


そんな中、日本人が「なぜ、トルコの人たちがそこまでしてくれるのか」そして・・・

・・・「エルトゥールル号の恩返しです。」・・・


私は毎回このセリフで泣きます。

100年前に助けられたことを語り継ぎ、世代を超えても、その命がけの恩返しを快く引き受けられる。トルコの方の絆の強さがうかがえます。


そして今、日本にエルトゥールル号のことを語り継いでいる人が、どれくらいいるでしょう。

絵本もあります。

文庫本も出版されました。


子どもたちの中にエルトゥールル号の後の恩返しのことを知っている子どもがどれくらいいるでしょう。

恥ずかしながら、私もここ数年まで知りませんでした。


40歳過ぎで小学生の子どももいますが、最近になり子どもに伝えました。


現代の日本人の中で歴史の語り継ぎというのは、かなり弱くなっていると思います。

核家族が増えたせいもありますが、日本人が年中行事で行ってきたことを、やはり次の代に語る次ぐべきだと思います。


このエルトゥールル号の恩返しのお話を、ぜひ子供たちに読んでいただきたいのです。

大人の方も読んでみてください。


100年後の日本で、現代のことがしっかり受け継がれているように後世に伝えていくことが、私たち親の役割だと思います。










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